Gセレクション

中山いくみ個展「HAL(L)O! HIROSHIMA」

2015年06月23日 (火) - 06月28日 (日)
11:00-20:00 ( last day-16:00 )
gallery G(広島)




オープニングパーティー
2015.06.23 ( 火 ) 18:30〜

レセプションイベント 2015.06.27 ( 土 )
トーク&ライブ(ドリンク・フード付き)200円

18:00〜18:45 ギャラリートーク
小野環(尾道市立大学准教授)× 中山いくみ

19:00〜
演奏 | マルチチャンネル・パフォーマンス
平石博一(作曲家)



広島と東京の往復の時間に考えていたことが最近に作品になりはじめた。
振り返ればステレオタイプに刷り込まれるイメージや想像力に抗う術を求める試みやきっかけは旅や移動にある気がした。
美術でもそうありたいけれども、考えるよりもずっと簡単に君は落ちている棒の存在に気づくだろう。 旅せよ。往復せよー。(中山いくみ)


  中山いくみ(b.1989)は写実的手法による水滴描写や映り込みという光学的効果の作品化によって、そこに鑑賞体験の虚像性を織り込む独特の半抽象絵画で知られています。 広島の大学在籍時にトーキョーワンダーウォール賞(2011年)を受賞したのち、活動の拠点を東京に移した中山ですが、このたび出生の地である広島での初個展を開催します。


  本展のタイトルは、絵画と同じく光の技術である写真に生じるハレーション(Halo+ation)から着想を得ています。
ハレーションはフィルムに強い光が当たるとき、感光層を通り抜けた光が支持体の裏側で反射されて戻ることによって意図した像が破壊される現象ですが、中山の作品もまた光の屈折や効果による像の変容に焦点が当てられています。


  モノクロームで描かれた「反射作品」では、第二次世界大戦を起点とした先人による作品を画中画として中山が選択し、黒地に鉛筆で模写した上にさらに透明な層を被せています。それは過去と現代の歴史やイメージを二重写しにしつつ、鑑賞者の記憶が無ければ画中画としての認識から零れ落ちてしまうというあやうさを備えています。

  一方ライトトーンで構成された「水滴作品」には水滴というレンズの反射と屈折によって歪み断片化したイメージと対比されるようにおぼろげな像が描かれています。 油彩の持つ透明感という特性を最大限に活用することで生まれるこの対比は、元来画家たちが追求してきた光の効果への関心の継承であると同時に、肖像という特権的主題は鑑賞者をそれらの断片の再構成へと誘いかけます。


  作品と鑑賞者との認識的・光学的関係性に注目する中山の試みは、いわば像と光の間に求められています。その二項の往復の過程で産出され変容していく無数のイメージは、私たちの分散する視線と思考を絡めあげつつ、再びひとつの画面の上へと折り重なっていくのです。




レセプションイベント 06.27 ( 土 )

  • TALK SHOW: ギャラリートーク
    06.27 ( 土 ) 18:00〜18:45
    出演 : 小野環(尾道市立大学准教授)× 中山いくみ


      小野環

      小野環/Tamaki Ono
      東京芸術大学非常勤講師を経て、現在尾道市立大学准教授。 絵画・インスタレーションの制作を行っている。 主な個展として2000年「キツネ作戦」/フタバ画廊(銀座)、2008年「gardens 植木鉢の冒険」/ふくやま美術館(福山)。VOCA 展、Hiroshima Art Document tinab.プラハ国際アートフェスティバル等に出品。 美術作家三上清仁とのユニット「もうひとり」としても活動。 尾道を中心にワークショップや作品展示を行っている。 2007年より尾道山手地区を舞台に開催するアーティスト・イン・レジデンス「AIRONOMICHI」の企画運営を行っている。 AIR ONOMICHI実行委員会代表、NPO法人尾道空き家再生プロジェクト副代表。


    RECEPTION SOWND: 演奏 | マルチチャンネル・パフォーマンス
    06.27 ( 土 ) 19:00〜
    出演 : 平石博一(作曲家)


      平石博一

      平石博一/Hiraishi Hirokazu
      1948年生。1970〜80年代にかけてポピュラー・ミュージック、商業音楽系の作編曲やレコーディングの指揮を行う一方、自作の発表を行うという独自の活動を展開。 1999年~2000年 ACCの助成によりニューヨーク滞在。一貫してミニマル・ミュージック的な作風を追及。 近年、空間的広がりを持った音の方向性や多彩な音色を体現するマルチチャンネルによる空間音楽パフォーマンスに注力、現場で体験しないと得られないステレオを超えた異空間を表出する。
      美術家とのコラボレーションに岡田裕子との共作「音楽映画」、鴻池朋子のアニメーション・インスタレーションの背景音楽、青山悟との即興を含むマルチチャンネル空間音楽パフォーマンス(ミズマアートギャラリー)などがある。


  • 演奏の前後にケータリングと広島ご当地にちなんだ日本酒やワイン、ソフトドリンクでおもてなし。
    サイトスペシフィックな味わいをお楽しみください。

    gallery G

    〒730-0012
    広島市中区上八丁堀4-1公開空地内
    tel: 082-211-3260 fax: 082-211-3261

    http://gallery-g.jp/


    [アクセス]
    JR広島駅南口から徒歩15分
    広島電鉄、白島線「縮景園前」電停下車すぐ
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