（開催概要）
この度中央本線画廊では本画廊の「展示空間」、「居住空間」、「スタジオ」の機能を拡張する企画展『NEURO HOP』を開催いたします。
本展は中央本線画廊に関わる作家陣にゲスト作家を数名加えて構成される本画廊最大規模のグループ展です。
また、会期中には展示ツアーや美食会など、参加作家以外のメンバーによって主催されるイベントも予定しております。
中央本線画廊という「場所」を中心に展開される諸運動の集合と分散を、是非、目撃してください。
以下、企画者の中山いくみによるステイトメントです。

NEURO HOP は画廊で出しているお酒の名前に由来している。NEURO(神経) をHOP(亢進) させる。
本展は強いイデオローグによって結ばれるグルーブというよりは、バブル（泡）が弾けた後の時代において、酒場に集うやや感覚を麻痺しながら神経を亢進させている人々に近い。
素面にも関わらずーー。

中央本線画廊では、これまでホワイトキューブとアニメオタクの居住空間の転換するcottolink の展示や、美術運動体として『ISETAN ニューアーティスト・ディスプレイ』への出展など、 画廊の枠を拡張する実験的な試みやプロジェクトが展開されてきた。
本展では新たに加わったスタジオの機能とメンバー、そしてゲスト作家を交えてギャラリーを解放し、中央本線画廊の機能（「展示空間」、「居住空間」、「スタジオ」）の拡張と撹拌を 試みる。会場やその周縁では終始、名称にすら収まらない何かが起こる予感を孕むのだ。

高度経済成長の追い風を受けて爆誕した先人のような時代気運や必然的豊穣は今の我々にはなく、バブル崩壊やリーマンショック後より長期化する経済不況、そして2011 年震災以 降の先行きの不透明な暗雲の中にある。そして、我々は場所や資源を効果的に用い、持続可能な危機回避の術としてシェアという概念を獲得した。この概念は資本主義的な価値形成 とは別のベクトルにおいて、展覧会、思考を一部共有し、アートや生活を生み出す場の可能性や今日的表象に抵触する。

それでいて、我々はバラバラの独立した神経経路を模索している。
本展の作家の表現形式は絵画、建築、映像、おたく、パフォーマンス、美食、アートツアーなど多岐にわたる。我々は同時代において緩い繋がりを形成し、単線的ではなく、バラバ ラのままより複雑化した神経系を組成する。それを活性化させるのがNEURO HOP である。

出展作家プロフィール

|

秋山佑太 / AKIYAMA YUTA
美術家・建築家。1981 年東京都生まれ。東日本大震災での被災の地。 そして、東京大空襲や東京オリンピックへの想いを、「移動／集積」 といった方法をつかい、複雑な時を刻んで来た建物や土地に「地霊」 を呼び起こす作品を制作。アーティスト活動と同時に展覧会の空間 設計・インディペンデントキュレーターとして活動。展覧会企画の 立ち上げから、場所探し、コンセプト作り、キュレーションまでを アーティストが担うという、近年多く見られる新しいアートのあり 方を牽引する若手作家のひとり。主な自主企画展に「 ground under」展 (SEZON ART GALLERY、2017)、「 Super Circulation / 超循 環」展（EUKARYOTE、2018) 。主な参加芸術祭・グループ展に「カ オス* ラウンジ新芸術祭2016 市街劇『地獄の門』( 福島県いわき市、 2016) 、「サイトスペシフィック疲れと、場所の憑かれ」 ( ゲンロン カオス* ラウンジ 五反田アトリエ、2016) 、「Reborn-Art Festival 2017」( 宮城県石巻市、2017) など。 ウェブサイト http://yutumn.com

|

伊藤由貴 / ITO YUKI
1986 年生まれ。香川県出身。幼少期を台北で過ごす。 2012 年、女子美術大学大学院美術研究科美術専攻洋画研究領域修了。 主な展示 ワンダーシード2017（トーキョーワンダーサイト渋谷） BankART AIR 2016 特別展(BankARTStudio NYK) BankART Artist in Residence OPEN STUDIO 2016(BankARTStudio NYK) 京都国際舞台芸術祭2016 フリンジ企画（元立誠小学校、2016 年） TOKYO DESIGN WEEK 2015（神宮球場前広場、2015 年） 新宿クリエーターズ・フェスタ2015（新宿区、2015 年） アート亀山2014（亀山市、2014 年） 2014 NIIGATA オフィス・アート・ストリート（新潟市、2014 年） みなとメディアミュージアム2013（ひたちなか市、2013 年） ワンダーシード2013（トーキョーワンダーサイト本郷、2013 年） via art 2010（シンワアートミュージアム、2010 年） ビエンナーレKUMAMOTO ファイナル( 熊本県立美術館、2010 年） ウェブサイト https://sites.google.com/view/yukiito/

|

cottolink
1993 年生まれ。長野県出身。ゲンロン カオス* ラウンジ新芸術校 第二期上級コース修了、同校第三期在学中。 主な出展歴に「Debris*Lounge」( 五反田アトリエ、東京、2016 年）、 「ゲンロン カオス* ラウンジ新芸術校上級コース成果展『まつりの あとに』」（五反田アトリエ/MOGRA、東京、2017 年）、「阿佐ヶ谷 アンデパンダン」（阿佐ヶ谷アニメストリート特設ギャラリー、東京、 2017）、「ISETAN ニューアーティスト・ディスプレイ」（伊勢丹新宿 店本館、東京、2017 年）など。 ウェブサイト http://chuohonsengarou.tvvt.tv/archives/217

|

小林太陽 / KOBAYASHI TAIYO
1995 年生まれ。東京都出身。新芸術校第二期標準コース修了。国際基督教大学在学中。 中央本線画廊住人。好きな声優は久保ユリカ。
ウェブサイト http://yan-a-gawa.tumblr.com

|

中山いくみ / NAKAYAMA IKUMI
1989 年、広島県生まれ。尾道市立大学芸術文化学部美術学科油画コース卒業。ポストスーパー フラット・アートスクール卒業。旧世代の象徴的な人物の肖像画や、水滴や反射をテーマに絵画 おける実存性の可視化を試みるシリーズ等を制作。主な展覧会に、「不在の存在論」（広島県立美 術館県民ギャラリー,2017 ）、「現在戦争画展」（TAV GALLERY/東京,2016）、「HAL（L）O! HIROSHIMA」（ギャラリーG/ 広島,2015）、トーキョー ワンダーウォール2011『 中山いくみ展 見えない壁ーInvisible wall』東京都庁（東京,2012）がある。 ウェブサイト http://nakayamaikumi.web.fc2.com/

|

ゲスト作家・金 恵寿 / KIM HAESU
多摩美術大学在学中。 主なグループ展に「 repression for expression 」二人展 （Azabujuban gallery , 2017 ）、「 オーバーなチルトーク」（ 多摩美術 大学 ,2017 ）がある。

|

ゲスト作家・青木美紅 / AOKI MIKU
1996 年 栃木県生まれ2016 年 多摩美術大学油画専攻入学
2016 年 多摩美芸祭「日常展」展示
2016 年 トランスアートトーキョー アート縁日 出品
2016 年 あをば荘にて「超はっぴぃＥえんど！」展示
2016 年 ターナーアクリルガッシュビエンナーレ 佳作
2017 年 多摩美芸祭「オーバーなチルトーク」展示2
017 年 ターナーアワード2017 入選
2018 年 ターナーギャラリーにて ターナーアワード受賞・入選作品展
ウェブサイト https://mikuaokimiku.tumblr.com/

|

＋美術家/ コレクターの飯島モトハ氏招聘ゲスト作家 ・シエニーチュアン / SHIENEYCHUAN
1994 年生まれ愛知県出身。名古屋で絵画活動をしていたが、絵画に取り組む姿勢がすこし悪く回り一度も注目されず、2015 年に上京し現在に至る。 2018 年よりなんでもやり屋、始動予定。2017『パープルームの夏休み』、『 パープルーム２回目のゲルゲル祭』、『 パープルーム大学と梅津庸一の構想 画展』、『ゲルゲル祭 #3』、『パープルーム大学 尖端から末端のファンタジア』などに出展。 ウェブサイト https://seikatsunurui.tumblr.com

関連イベント1

『神三本勝負』: 美術家/ コレクターの飯島モトハ氏
日時5 月19 日（土）15:00 ‒
参加費：500 円
会場：中央本線画廊

『神三本勝負』
作家招聘いただく美術家/ コレクター/ スイーツドラゴンの飯島モトハ氏の セレクトによるケーキパーティーです。JR 中央本線沿いの3 店舗のケーキ店 から選りすぐりの洋菓子とお茶で甘い中央本線世界を堪能いただけます。

関連イベント2

『中央本線アートツアー』: by カワムラシュウイチ氏（土曜会ディレクター）
日時：5 月26 日（土）14:00 ‒
参加費：無料

『中央本線アートツアー』
不定期勉強会「土曜会」ディレクターのカワムラシュウイチ氏による、JR 中 央本線沿いにディープなアートスポットを巡るアートツアーを開催します。
（詳細は随時更新予定です）