「KTO Rising Artists Show 中山いくみ・大西晃生 二人展 貌」展



KTO Rising Artists Show
中山いくみ・大西晃生 二人展 貌

2020年12月05日 (金) - 12月27日 (日)
時間:13:00-18:00

開廊日:土、日、月、火曜日
休廊日:水、木、 金曜日

会場:GALLERY KTO 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4丁目25−7
キュレーター:ワタナベ



■概要

視覚的な「イメージ」と⾮視覚的な「⽣」が重なり合う「肖像」という芸術は、単に容貌を描くだけでなく、⼈間の本質的な部分を描写してきました。
本展では、⼆⼈の若⼿作家の作品を通して、古典的ジャンルである肖像画の今⽇におけるあり⽅を検討します。




肖像画 ( ポートレイト・ペインティング ) は観察 ( エンピリカル ) に基づくものである。 肖像画が提示する芸術上の問題は、それを生みだす時代背景 ( タイム・コンテキスト ) がいかに遠くとも、われわれがそれを視覚化できる、ということにある。- ジョン・ポープ = ヘネシー

これまで、多くの作家たちが人の姿を作品の中に写し取ってきた。古来より「肖像」という芸術は、視覚的な「イメージ」と非視覚的な「生」 が重なり合うジャンルである。他者から見える容貌を描くというよりも、より本質的な部分を描いてきたのが肖像であるといってよいはずだ。

例えば、古代エジプトでは、肖像を制作する彫刻家を「セ・アンクー」=「人を生かしておく者」、画家を「セッシュ・ケドウェト」=「ケドゥ ( 本性および特徴 ) を描写する者」と呼んだ。また、ロシアのモルドヴァ族やニューギニアのキワイ族は同一の単語で魂と「像」の両方を表す。 もちろん、ここでいう「像」には影や写真、画像などが含まれている。即ち、肖像には常に人間の魂、生そのものが付きまとってきたといってよい。

一方で、肖像には、概念の具象化という役割を見出すこともできる。 カントーロヴィッチによれば、14 世紀以降、イングランドでは王の葬儀において肖像が陳列されていた。王は自然的身体 / 政治的身体のふたつの身体を持つ。葬儀に際して、政治的身体を可視化するために装飾的に描かれた肖像は、「威厳」や「権力」の擬人化であるといえよう。他にも、 自画像に理想的な「画家」の概念を込めて表現したと思われる作品に、レンブラントの《二つの円を伴う自画像》がある。1660年代後半に描かれたと推測されるこの絵は、貧困に喘いでいた当時のレンブラントの姿とは異なる、堂々とした姿が描かれている。

このように、人間の本質や抽象的な概念は、肖像という人の姿のイメージに形を変えて、私たちの前に示されてきた。ジョン・ポープ = ヘネシーの言葉のとおり、その時代背景がいかに遠くとも。

中山いくみ、大西晃生の作品も同様に、本質 / 概念を人の姿に置き換えて、私たちの眼前に提示することになるだろう。今日におけるそれは 幾多の先駆たちとの同一項を示すのかもしれないし、あるいは差異を示すのかもしれない。いずれにせよ、作家たちの観察により生み出された成果は、時を超えてゆくものに値すると、私は信じてやまない。


キュレーター
ワタナベ














GALLERY KTO

〒150-0001
東京都渋谷区神宮前4丁目25番7号 コーポK103
tel: 03-6881-9936

https://www.gallery-kto.com/




[アクセス]
東京メトロ 明治神宮前駅 5番出口より徒歩約5分
東京メトロ 表参道駅 A2番出口より徒歩約5分
JR 原宿駅 表参道口, 竹下口より 徒歩約10分
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[会場入口]
GALLERY KTO は2箇所の街路からご入場して頂けます
詳細: https://www.gallery-kto.com/access







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